不動産投資において、物件を購入した後の「賃貸管理会社選び」は、一棟アパート・マンションの稼働率と長期的な収益を左右する極めて重要な要素です。
株式会社エイチピーエム(HPM)は、賃貸管理をメイン事業とし、「原状回復費が無料」という独自のサービスを展開することで、オーナーの収支向上をアピールしている不動産会社です。 一見するとオーナーにとって非常に魅力的な提案に思えますが、管理の質やビジネスモデルの構造を客観的に検証すると、手放しで喜べないリスクが浮き彫りになります。
本記事では、年間家賃収入2000万円(手取り)を運用する実務家(おおや)の視点から、HPMの「原状回復費無料」の収支設計への疑問点と、ネット上の口コミから見えてくる「安かろう悪かろう」の管理体制がオーナーにもたらすリスクについてフラットに解説します。
HPMの最大の特徴「原状回復費無料」の収支設計への疑問
HPMの管理サービスは、一般的な「家賃の5%」という管理手数料としながらも、退去時の原状回復費をHPM側が負担する(無料にする)という仕組みが最大の特徴です。
提示されている年間合計収支比較イメージ(1LDKタイプ14世帯の例)を見ると、従来の収益モデルと比較して約42万円の原状回復費が削減され、オーナーの収益が向上するモデルが示されています。

しかし、この仕組みにはビジネスモデルとして大きな疑問が残ります。
収支が回るのか不安になるレベルの利益構造
提示されたモデルでは、HPMが受け取る管理手数料は46万円です。 もしHPMが本当に42万円の原状回復費を自社で負担しているとすれば、HPMの手元に残る管理手数料の利益はわずか「4万円(46万円-42万円)」となります。
仮に、記載されている「経費14万円」の中身がすべてHPMへの客付けAD(広告料)だったとしても、HPMの収益は年間18万円にしかなりません。 14世帯の建物を1年間管理して、会社としての利益が18万円では、真っ当な企業努力だけでは収支が回らない(サービスが維持できない)懸念があります。
原状回復費をケチるリスクと矛盾
利益を出すために、HPMが「原状回復の工事費を極限までケチる(最低限の清掃しかしない等)」という手段に出る可能性があります。
しかし、室内の質が落ちれば入居者の不満に繋がり、早期退去を引き起こします。退去が頻発すれば、HPMはその都度「無料の原状回復」を自腹で行わなければならず、自らの首を絞めることになります。 考えれば考えるほど、このサービスの収支設計は見えてきません。
実際の口コミから紐解く「収支設計のカラクリ」と管理体制
上記のようなオーナー側の疑問に対する「答え」は、実際に入居している方々の口コミ・評判を分析することで見えてきます。結論から言うと、入居者からの口コミ状況は正直良くなく、「安かろう悪かろう」という印象を拭えません。
1. 退去時の「高額請求」というカラクリ
Google等の口コミの中で、最も注目すべきなのが退去時の清掃費に関する以下の投稿です。
「退去時には立ち合いのため別会社を挟むが、なかなかに厳しく日常生活でついた汚れも万円単位の清掃費を取られます。(中略)退去時に費用を取られたのはここが初めてです。」
これこそが、オーナーにとって「原状回復費が無料」になる最大のカラクリである可能性が高いです。HPMが自腹を切るのではなく、「退去する入居者に厳しい基準で高額な原状回復費(清掃費)を請求することで相殺している」と考えれば、ビジネスモデルの辻褄が合います。
ただこれでは物件自体の口コミが落ちるリスクが高まり、次の客付けに悪影響が出かねません。
2. ライフライン・設備の放置とレスポンスの遅さ
その他の口コミでも、賃貸管理の基本となる業務への不満が多数寄せられています。
- インフラの放置: 入居初日に水が出ないトラブルに対し、事前の案内不足と責任転嫁の対応があったとの指摘。
- ロードヒーティング(融雪設備)の未稼働: 雪国において死活問題となるロードヒーティングが稼働せず、駐車場が利用困難になっても「様子見」や「業者手配の遅れ」が発生している。
- アプリ(totono)の機能不全: 連絡手段を専用アプリに限定しているにもかかわらず、返信が極めて遅い、あるいは連絡が取れないといったコミュニケーション不全が起きている。
「安かろう悪かろう」の管理が一棟オーナーにもたらす致命的リスク
一棟アパート・マンション投資において、稼働率(入居率)は収益を決定づける命綱です。HPMのように「オーナーの目先の出費(原状回復費)は抑えられるが、入居者への対応が悪い」という管理会社を選ぶと、オーナーは以下のような致命的なリスクを背負うことになります。
1. 物件自体の口コミ(評価)を下げられるリスク
管理の質が悪いと、不満を持った入居者がGoogleマップ等に「物件名や住所を勝手に登録し、星1つの低評価と悪評を書き込む」という事態が起こり得ます。 一度ネット上に「退去時にぼったくられる」「冬に雪かきもされない最悪の物件」という悪評が刻まれてしまうと、それを見た次の入居希望者は絶対に契約しません。これは物件のブランド価値を毀損し、取り返しのつかないダメージとなります。
ちなみにGoogle mapの口コミを消すことは基本不可能です。最初から星1評価で始まってしまうと、もうどうしようもできません。
2. 高い退去率による実質的なキャッシュフロー悪化
ライフラインのトラブル対応が遅く、騒音問題なども丸投げされるような環境では、入居者の早期退去に繋がります。退去が頻発すれば、いくら原状回復費が無料でも、その間の「空室期間の家賃ロス」が発生し、結果的にオーナーのキャッシュフローは大きく悪化するリスクがあります。
不動産投資における「管理会社選び」の客観的基準
不動産投資は、管理会社というパートナーの質が成功を左右します。管理会社を選ぶ際は、目先のコストダウンだけでなく、以下の視点を持つことが重要です。
- 「無料」や「格安」の裏側を疑う: 企業が利益を削ってまで無料にするサービスには必ず裏があります。「誰がそのコストを負担しているのか(入居者泣かせになっていないか)」を客観的に評価する必要があります。
- 入居者ファーストの姿勢があるか: 入居者は、オーナーに毎月家賃というお金を払ってくれる大切なお客様です。そのお客様に対して誠実で迅速な対応ができる管理会社でなければ、長期的な稼働率は維持できません。
まとめ
株式会社エイチピーエム(HPM)は、オーナー向けに「原状回復費無料」という独自のサービスを提供していますが、そのしわ寄せは「退去時の入居者への高額請求」や「日々の管理対応の遅れ」という形で入居者に向かっている可能性が高いことが、口コミから推察されます。
目先の経費が浮くことは魅力的ですが、一棟投資において最も重要なのは「高い稼働率を維持すること」です。管理の悪さが物件の悪評に繋がり、入居者が寄り付かない負動産になってしまっては本末転倒です。
おおやの視点
不動産管理において「安くて、対応が良くて、すべてやってくれる完璧な業者」は存在しません。管理会社が適正な利益を得られなければ、必ずどこかでサービスの質が落ちます。オーナーとしては、適正な管理手数料や修繕費を支払ってでも、入居者が快適に長く住み続けてくれる優良な管理会社を選ぶことこそが、最も手堅い資産防衛に繋がります。 もし、あなたが現在お持ちの物件の管理会社選びで悩んでいたり、これから一棟投資や区分投資を始めるにあたって「どの業者が信頼できるのか」迷っているなら、ぜひLINEで相談してください。ポジショントークなしで、オーナー目線での客観的なアドバイスが可能です。



一棟アパートやRCマンションをメインに投資。
サラリーマン時代に不動産投資を開始し、家賃収入50万円/月を達成し独立。
独立後、不労収入を増やすべく不動産会社や金融機関を開拓し、不動産投資の拡大に成功。
一棟アパートやRCマンションをメインにしていますが、メリットあれば区分、別荘やタワマンも所有しています。
一棟アパートから始めるべきか、区分マンションか始めるべきか、不動産投資に興味がある方はどちらの相談にも乗れると思います。相談したい方はLINEで連絡くださいね。
不動産投資に大切なことは勉強ではなく、「順番と速度」です。
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