本記事では一棟収益物件を扱うサイフォ株式会社について見ていきたいと思います。
サイフォ株式会社は収益物件専門の不動産会社で、東京に本社を置き名古屋・福岡にも拠点を構えています。同社が運営する物件検索サイト「パワフル不動産投資情報」には常時多数の収益物件が掲載されており、一棟を探す投資家にとって使いやすいポータルです。
ただし、不動産投資はどの物件を購入するかで成績が大きく変わるため、物件の見極めは非常に重要です。
サイフォ株式会社については、
- 売主物件と仲介物件が混在していること
- 掲載物件の幅が極めて広いこと
- そして掲げられている成功事例の再現性
この3点をしっかりかと整理した上で、投資判断ができると良いでしょう。
サイフォ株式会社の会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | サイフォ株式会社(CIFO Co.,Ltd) |
| 本社 | 東京 |
| 拠点 | 東京・横浜・名古屋・福岡 |
| 主な事業 | 収益物件の売買仲介/賃貸管理/リフォーム工事/新築投資用物件の企画・建築 |
| 運営サイト | パワフル不動産投資情報(powerful-fudousan.jp) |
| 対応エリア | 首都圏・横浜・名古屋・福岡を中心に、北海道から沖縄まで |
特徴は、一社で複数の役割を担っていることです。
物件紹介から条件交渉、契約締結までの売買サポートに加え、入居者募集・家賃集金・入退去フォローといった管理代行、さらにリフォーム工事と新築物件の企画・建築まで手掛けています。居住用だけでなく、スモールオフィス、事務所、物販店舗、美容室、飲食店舗といったテナントビルの管理実績もあるとしています。
買ってから運用、そして売却まで一社で完結できるという点は、本業をお持ちの方にとっては安心ですね。
同時に、その一社が売主にも仲介にも管理会社にもなり得るということでもあります。
気になる点1|売主物件と仲介物件が混在している
サイフォ株式会社が運営するポータルサイト「パワフル不動産投資情報」の物件一覧には、取引態様について「物件番号のところに売主の表示がない物件は全て媒介となります」と明記されています。
つまり同じサイト上に、同社が売主として販売する物件と、他人の売り物を仲介する物件が並んでいるということです。
仲介か売主かで価格が変わる
- 仲介(媒介)の場合
買主は物件価格とは別に仲介手数料を支払います。金額は明示されるので、業者の取り分が数字で見えます。 - 売主物件の場合
仲介手数料はかかりません。ただし業者の利益は販売価格に内包されています。 いくらで仕入れ、いくら乗せたのかは、原則として分かりません
売主物件のことを「手数料無料」と謳う不動産会社もありますが、それは安いという意味ではありません。 手数料が表に出ないだけで、対価はどこかで払っています。逆に、仲介手数料がかかる物件が高いとも限りません。

売主物件の方が手数料は結果的に割高な印象です。
確認すべきこと
物件資料を受け取ったら、まず取引態様を確認してください。
- 売主か、媒介か
- 媒介の場合、掲載開始はいつからか
- 売主物件の場合、いつ仕入れたものか
売主物件で仕入れから日が浅ければ、価格には直近の相場と業者利益が反映されています。逆に長く在庫として抱えている物件であれば、価格の柔軟性がある可能性もあります。
どちらが良い悪いではありません。構造が違うことを知ったうえで比較する、それだけの話です。
また、売主か仲介かで価格交渉の戦略も変わってきます。一般的に個人オーナーは経済的な体力がないため、価格交渉を通しやすいです。相手の事情を逆手に取って指値を入れやすいと言えます。一方でサイフォの売主物件は、サイフォの目標利益が達成されない価格の場合は保有し続けると言う選択も可能なため、価格交渉は相対的に難しくなるでしょう。
特に仲介物件に関しては額面や表面利回りからどのくらい下げられるかを考える必要があると言う点で、プロ向きと言えますね。
気になること2|掲載物件の幅が、極めて広い
同社の掲載物件を眺めると、エリアも利回りも大きく振れます。
福岡市には販売価格1億2,500万円・表面利回り5.92%の一棟アパート(2013年築・満室稼働)がある一方、同じ福岡県内には3,500万円・表面利回り11.27%の物件が並びます。横浜市上大岡では利回り8.5%の満室一棟アパート、岐阜県に至っては利回り12%超や満室想定15%超の物件まで掲載されています。
首都圏の低利回り築浅から、地方の高利回り築古まで、ほぼ全域をカバーしているということです。
不動産投資の目的を明確にする
首都圏の低利回り物件と、地方の高利回り物件は、同じ不動産でもその保有目的は大きく異なります。
大雑把に言うと、
- 資産保全目的:首都圏低利回り
- キャッシュフロー目的:地方高利回り
と認識して下さい。
そしてもう一つ付け加えるなら、首都圏物件はローリスクローリターン、地方物件はハイリスクハイリターンです。
高利回り物件を見るとなんとなく良さそうと思う人は多いですが、地方高利回り物件を見る際には注意点があります。
高利回り物件を見るときの視点
地方の高利回り物件は、数字が魅力的に見えるほど検証が必要です。
表面利回りは「満室想定」で計算されています。 現在の稼働状況、直近の入退去、そして空室を埋めるために必要なコストを確認してください。特に地方は、AD(広告料)の相場が首都圏より高くなる傾向があります。
そして出口が狭いです。 高利回り物件は、あなたが買うときも安く、売るときも安い。次の買い手が融資を引けるかどうかが、売却の可否を決めます。築年数が法定耐用年数を超えていれば、次の買い手の融資期間は短くなり、買える人が絞られます。

要は、地方高利回り物件には、賃貸需要の係数が抜けていると言うことです。たとえ今満室でも次の入居者がすぐに見つかるとは限らない。もっと言えばその入居者が購入直後に退去してしまうリスクもあるのです。
気になる点3|掲げられている成功事例の再現性
同社のサイトには、多数の成功事例が掲載されています。
年収600万円のサラリーマンが1年で新築ビルと中古ビルのオーナーに。年収400万円の公務員が3年で新築ビル2棟のオーナーに。自己資金ゼロでアパート購入後、5年で売却し家賃と売却益で2,500万円獲得。 稼働率50%の老朽中古ビルが購入後に稼働率100%へ——といった内容です。
これらの事例が虚偽だと申し上げているのではありません。 実際にあったことでしょう。
ただ一部の成功事例が素晴らしいのは良いことですが、かといって同社に全てを任せれば良いとはなりません。投資はどこまで行っても自己責任です。
融資環境が変わっています
「自己資金ゼロ」という表現には、特に注意が必要です。
フルローンやオーバーローンが比較的組みやすかった時期は、確かに存在しました。しかしその後、金融機関の姿勢は大きく変わっています。加えて現在は金利の上昇局面にあり、審査における返済比率の見方も以前とは異なります。
事例が「いつの話か」を必ず確認しましょう。
広告料に言及している
同社の管理サービスには、家賃滞納時に最大6ヶ月まで立替払いする仕組みがあります。また原状回復工事についてオーナー負担の少ないシステムを採用し、当初の事業計画では想定しにくい入居者契約時の広告料についても、負担を軽減する提案を行うとしています。
広告料に自ら言及している会社は、実はそう多くありません。
AD(広告料)は、入居を決めた仲介会社にオーナーが支払う実費です。募集のたびに発生し、表面利回りには一切現れません。 多くの収支シミュレーションはこれを計上しておらず、購入後に「こんなはずでは」となる典型的な要因です。
これを課題として認識し、提案の対象にしている姿勢は、管理会社として信頼に足る材料だと考えます。
物件を見極める5つの視点
最後に、相手が誰であっても変わらない物差しを整理します。
1. その「満室」は本物か
満室にすること自体は、条件次第で可能です。フリーレントを長く付ける、ADを厚く出す、初期費用をゼロにする。こうした条件で埋めた場合、契約賃料は高くても実質収入は下がり、次の更新で維持できません。
各室の賃貸借契約の開始時期(直近で一斉に埋まっていないか)、契約時の募集条件、周辺同種物件の募集賃料を確認してください。満室であることは、賃料が適正であることを保証しません。
2. そのエリアのAD相場を知っているか
AD相場は全国一律ではありません。 人の動きが多く決まりやすい都心部は低め、郊外・地方はそれより高くなる傾向があります。相場を下回れば、そもそも紹介されません。
一棟では、戸数の分だけ退去が発生します。 AD・原状回復費・空室期間の逸失家賃を合算すると、1回の入れ替えでその部屋の年間家賃の相当割合が消えます。短期での入れ替えが続く物件は、満室でも赤字に転落しうるということです。
3. シミュレーションに修繕積立が入っているか
提示される収支シミュレーションの多くは満室想定で、ADも原状回復費も大規模修繕費も計上されていません。
「ADと原状回復費、修繕積立は、この収支表に計上されていますか」と尋ねてください。計上されていなければ、それは実現しない数字です。
さらに資材費と人件費が高騰しています。 10年後、15年後の修繕見積もりが購入時の想定を大きく上回る可能性は、決して低くありません。
4. イールドギャップと流動性は足りているか
イールドギャップは「実質利回り − 借入金利」。この差が投資家の取り分です。
本稿では「何%以上なら安全」という基準を示しません。求められる水準そのものが局面で動くからです。金利が下がる局面では薄いギャップでも時間が味方をしましたが、上昇局面では逆に働きます。「かつてこの程度で回っていた」という感覚は、今、最も危険な物差しです。
「金利が2%上昇したとき、この物件のキャッシュフローはいくら残りますか」——この試算を必ず求めてください。
同時に、売却時に買い手が厚いエリアかも購入時点で判断すべき項目です。買うときより、売るときの方が難しい。
5. インフレに乗れるエリアか
金利が上がる局面では、賃料も上がるエリアでなければ収支は悪化する一方です。
家賃は即座には動きません。契約更新や入居者入れ替えのタイミングでしか改定できず、反映は数年遅れます。賃料が横ばい・下落しているエリアで買えば、金利は上がり修繕費も上がるのに家賃だけは上がらないという、最悪の組み合わせが完成します。
過去数年の賃料推移と、人口・世帯数の動態を確認してください。
まとめ|使いやすいポータルだからこそ、物差しを持って使う
サイフォ株式会社は、収益物件の売買から管理、工事までを一社で担う不動産会社です。運営する「パワフル不動産投資情報」は掲載数が多く、一棟を探す投資家にとって使いやすいポータルと言えます。悪評も見当たらず、会社そのものを疑う理由はほとんどありません。
そのうえで、本稿で申し上げたかったことは三つです。
売主物件と仲介物件が混在しています。 取引態様によって費用構造が変わるため、資料を受け取ったらまず確認してください。「手数料無料」は安いという意味ではありません。
掲載物件の幅が広く、判断軸を自分で持つ必要があります。 首都圏の低利回り築浅と地方の高利回り築古は、まったく別の投資です。「どちらが良いか」は、あなたの目的と財務状況によって決まります。
成功事例は「いつの話か」を確認してください。 特に「自己資金ゼロ」は、融資環境が現在とは異なる時期の話である可能性があります。金利上昇局面の今、同じ再現性があるとは限りません。
結局のところ、判断は物件と価格で決まります。本稿で挙げた5つの視点は、どの会社から買う場合にも通用する物差しです。
こんなことで迷っていませんか
- 提案されている物件の利回りは適正か
- 金利上昇局面で買っても大丈夫か
- 勧められた金融機関は、自分にとって最善の順番か
- 出口戦略は見えているか
- 法人化を検討すべきか
- 土地建物の按分は適正か。土地価格が不自然に高く設定されていないか
昨今の不動産市況は流動的であり、同じ物件でも、購入される方の財務状況によって買うべきかどうかの答えは変わります。
一棟を主軸に、区分も含めて経験してきた身として、ご相談いただければLINEまたはメールでアドバイスも可能です。
一棟を検討される際に本当に難しいのは、物件そのものより、どの物件を、どの金融機関で、どの順番で組むかという設計です。判断に迷われた際は、お気軽にお声がけください。


一棟アパートやRCマンションをメインに投資。
サラリーマン時代に不動産投資を開始し、家賃収入50万円/月を達成し独立。
独立後、不労収入を増やすべく不動産会社や金融機関を開拓し、不動産投資の拡大に成功。
一棟アパートやRCマンションをメインにしていますが、メリットあれば区分、別荘やタワマンも所有しています。
一棟アパートから始めるべきか、区分マンションか始めるべきか、不動産投資に興味がある方はどちらの相談にも乗れると思います。相談したい方はLINEで連絡くださいね。
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