不動産投資において、検討中の企業がどのようなビジネスモデルを展開し、どのようなリスクに対する提案を行っているのかを事前に検証することは非常に重要です。
株式会社インハビットは、北海道札幌市に拠点を置き、札幌市内の中古収益物件の売買・仲介や、木造およびRC(鉄筋コンクリート)造の新築アパート・マンションの企画開発を展開している企業です。「自社から購入したオーナーの物件のみを管理する」という独自の方針を掲げています。
本記事では、年間家賃収入2000万円(手取り)を運用する実務家(おおや)の視点から、株式会社インハビットの基本情報や事業の特徴を整理し、現在の不動産市況を踏まえた「一棟収益投資」の本質的なリスクと検討ポイントを客観的に解説します。
株式会社インハビットの基本情報と特徴
株式会社インハビットは、2007年に設立された札幌市中央区の不動産会社です。札幌市の収益不動産に特化し、投資物件の企画から販売、賃貸管理までを手掛けています。
1. 札幌エリアに特化した収益物件の売買と新築企画
設立以来、札幌市内の収益用不動産に特化した事業を展開しています。中古の一棟アパートやマンションの売買・仲介に加え、2017年からは新築企画事業にも参入し、木造およびRC造の一棟収益物件を自社で企画・提供しています。利回りだけでなく、購入後の運用を見据えた提案を行っている点が特徴です。
2. 自社購入者限定の賃貸管理体制
同社の大きな特徴は、管理戸数のむやみな拡大を抑え、質の高いプロパティマネジメント(賃貸管理)を維持するために「自社から購入していただいた物件のみを管理する」という方針を取っている点です。
無駄な修繕は行わず、内装や修繕を業者卸価格で提案するなど、オーナーの利益最大化に特化した管理体制の構築を目指しています。
3. 会員制による未公開物件の提供
市場に出回る前の物件や、売主の事情で一般公開できない「未公開物件」の情報を、無料の会員登録を行った顧客限定で提供するシステムを採用しています。
株式会社インハビットの口コミ・評判
インターネット上において、株式会社インハビットに関する投資家や入居者からの明確な口コミやレビューは確認できません。
おおやの視点
札幌という地域に特化し、数千万〜数億円規模の事業用不動産を扱う企業であること、さらに「賃貸管理を自社の購入者のみに限定している」という閉じたビジネスモデルの性質上、不特定多数の口コミがネット上に表に出にくいのは自然なことです。口コミがないこと自体をネガティブに捉える必要はなく、提示された物件の収益性と事業計画を客観的に評価することが重要です。
現在の市況における「一棟アパート・マンション投資」の本質的なリスク算定
株式会社インハビットのようにオーナー目線の管理体制を掲げる企業を利用する場合でも、一棟投資というビジネスモデル自体が内包する本質的なリスクを理解しておく必要があります。
1. 物件価格と家賃の歪みと「家賃引き上げ」を見極める選球眼
現在、資材価格や人件費の高騰により、物件の取得コストは高い水準にあります。一方で、家賃相場の上昇は物件価格の上昇に完全には追いついていません。この歪みにより、相場通りにフルローンに近い形で一棟を購入すると、初期の利回りが低くなり、毎月の手残りが少ない状態からのスタートとなります。
だからこそ、今後は「物件のポテンシャルを見抜き、適切な運用や修繕によって将来的に家賃を引き上げられる物件かどうか」を見極める選球眼が、一棟投資の成否を分ける極めて重要な要素となります。
2. 木造一棟特有の「流動性(出口)」リスク
同社はRC造も手掛けていますが、木造アパートを検討する場合は法定耐用年数(22年)の短さに注意が必要です。築年数が経過した後に売却しようとした際、次の買い手が金融機関から長期のローンを引きにくくなる特性があります。ローンが引けない物件は市場での流動性が下がり、いざという時に「ローンの残債を完済できる金額で売却(現金化)できない」というリスクが存在します。購入の段階から、長期的な出口戦略を立てておく必要があります。
3. 「節税効果×サブリース」を強調する営業手法への注意
新築・中古を問わず、木造一棟アパート投資において、業界の一般的な営業手法として「短い法定耐用年数を活かした減価償却(節税効果)」と「サブリース(一括借り上げ)による安定収入」をセットで提案するケースが多く見られます。同社がこの手法を主軸としているわけではありませんが、一棟投資を検討する上で必ず構造を理解しておく必要があります。
一見すると手間なく節税と安定したキャッシュフローを得られる仕組みに見えますが、サブリース契約は業者側から賃料の減額請求や契約解除が可能なケースが多く、完全な安心材料にはなりません。
また節税効果についても、物件を売却する際には譲渡税が発生します。高年収の方であれば所得税率と譲渡税率の差分が実質的な節税効果となりますが、最終的な売却時にローンの残債を完済できる金額で売れるかどうかの保証はないため、手元の資金をすべて自由に使って良いわけではありません。節税や家賃保証といった付加価値に目を奪われず、物件本来の収益力を見極めることが重要です。
不動産投資は「目的」に合わせて物件種別を選ぶ
不動産投資を始めるにあたり、新築・中古の一棟物件を選択するか、都心の区分マンション等を選択するかは、投資目的と自己資金の状況によって分かれます。
一棟収益物件(目的:資産保全と事業規模の拡大)
- 【メリット】 土地の持ち分が大きく、リノベーション等のバリューアップや修繕のタイミングをオーナー自身の裁量で決定できます。複数戸を所有するため、区分と違って一部屋の退去で収入がゼロになるリスクを分散でき、賃貸経営は安定しやすい傾向があります。
- 【リスク】 取得コストの上昇による利回りの低下や、出口(売却時)における流動性の低さを考慮した緻密な資金計算が必要です。大規模修繕費用を自身で準備するため、資金管理に高い計画性が求められます。また、表面利回りには空室率が加味されていませんので、現実的な稼働率によるシミュレーションが重要です。
都心の区分マンション(目的:手間の軽減と手堅い資産形成)
- 【メリット】 都心の安定した賃貸需要を背景に、長期間の空室リスクを抑えられます。建物の修繕は管理組合が主導して計画的に行うため、個人で突発的な大規模修繕費を負担する可能性は低くなります。市場での流動性(売りやすさ)にも優れています。
- 【リスク】 購入価格が高いため毎月のキャッシュフローは大きく出にくく、時間をかけて残債を減らし、純資産を形成していく中長期的な視点が必要です。
株式会社インハビットでの一棟投資に向いている人・向いていない人
向いている人の条件
- 物件価格に対して十分な自己資金(頭金)を投入し、借入比率を下げて低利回りでも安全に事業を回せる経済的体力がある方
- まとまった自己資金があり、それを元手に継続的なキャッシュフローを得たい方
- 札幌エリア特有の賃貸需要や維持管理コスト(雪対策など)を客観的に分析でき、現地の管理会社と長期的なパートナーシップを築きたい方
見送るべき人の条件
- 自己資金にゆとりがなく、フルローンで購入した上で、毎月のキャッシュフローに大きく余裕を持たせたい方
- 売却時の残債リスクや譲渡税を逆算せず、目先の「節税」だけを目的にしている方
- まとまった自己資金がない資産形成期の方
まとめ
株式会社インハビットは、札幌エリアに特化して収益物件の開発や売買を行う不動産会社です。「自社からの購入者限定」という手堅い管理体制を敷き、オーナーの利益最大化に重きを置いたビジネスモデルを展開している点が特徴です。
札幌の一棟物件は都内と比較して物件価格が安く、利回りも高くなります。一方で、利回りとは物件の人気度の裏返しという側面もあり、利回りが高い物件ほどリセールが難しくなる傾向があります。
購入した不動産を持ち続けるのか、手放す予定があるのか、将来的な札幌地域の賃貸需要はどうなのかなど、購入前に検討すべき事項は多岐にわたります。様々なリスクを加味して検討するのが良いでしょう。
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おおやの視点
一棟投資はまとまった自己資金があり、ある程度の運用のボラティリティに耐えられる経済的な体力が必要です。もし、あなたが現役世代のサラリーマンで、これから資産形成を進めていきたいと考えているなら、区分マンションの方が手堅い印象です。
私自身、一棟投資と区分投資の両方を経験してきましたので、一棟でも区分でもフラットに相談に乗れますよ。もし迷ったり気になることがあれば、気軽に私に聞いてくださいね。



一棟アパートやRCマンションをメインに投資。
サラリーマン時代に不動産投資を開始し、家賃収入50万円/月を達成し独立。
独立後、不労収入を増やすべく不動産会社や金融機関を開拓し、不動産投資の拡大に成功。
一棟アパートやRCマンションをメインにしていますが、メリットあれば区分、別荘やタワマンも所有しています。
一棟アパートから始めるべきか、区分マンションか始めるべきか、不動産投資に興味がある方はどちらの相談にも乗れると思います。相談したい方はLINEで連絡くださいね。
不動産投資に大切なことは勉強ではなく、「順番と速度」です。
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