不動産投資において、検討中の企業がどのような営業スタイルを取り、提案される「節税」や「サブリース(借り上げ)」といったスキームにどのような構造的リスクが潜んでいるのかを事前に検証することは非常に重要です。
日本エスリード(現:エスリード株式会社)は、関西圏を中心に新築投資用マンションの開発・販売を手掛ける東証プライム上場の不動産会社です。
本記事では、一棟投資と区分投資の両方を実践する実務家(おおや)の視点から、エスリードの口コミから見えてくる営業実態を客観的に解説します。あわせて、ワンルーム投資における「節税・サブリース」の本質的なリスクと、投資を成功に導くための「融資の順番」「物件を見極める選球眼」についてお伝えします。
電話営業の苛烈さと「損切り」の声が並ぶ口コミの実態
インターネットの掲示板や口コミを確認すると、同社は非常に長い業歴を持つことから、さまざまな投稿が寄せられています。
1. 前のめりな電話営業と名簿利用への不満
- 「病院の直通電話から医者のPHSに転送させてかけてくる」
- 「勤務中に何度も電話がかかってきて、断っても番号を変えてかけてくる」
- 「役所や税務署を名乗って新入社員から携帯番号を聞き出し、投資の話をする」
いずれも事実確認は取れませんが、前のめりな営業スタイルが掲示板に投稿されています。
2. 「毎年の持ち出し(赤字)」と「損切り」のリアル
- 「3部屋買って、3年目から毎年150万円以上の持ち出しが発生し、数百万の損を出して売却(損切り)した」
- 「空室保証(サブリース)を頼んでも担当者がコロコロ変わり、のらりくらりとかわされて対応してもらえなかった」
- 「購入時の不都合な事実はメモで説明され、証拠を持ち帰られた」
おおやの視点
企業側も「同業他社の嫌がらせの書き込みもある」と主張しているようなので、正直どこまでが事実かの判断はつきません。ただ、3部屋保有で150万円の持ち出しというのは投資リスクとしてありうる数値感であること、サブリースに関するトラブルは後を経たないことから、事実かどうかは別にして、想定しておくべきリスクであることに間違いありません。
「年収1,000万円以上の節税」という甘い言葉の罠
同社の記事では「年収1,000万円以上の人は不動産投資で節税しよう!」という記事が掲載されており、不動産所得の赤字(損益通算)によって所得税額を大幅に削減できるシミュレーションが紹介されています。しかし、この「節税」には重大なカラクリがあります。
新築ワンルームで「継続的な節税」は極めて困難
記事にあるような「数十万円単位の大きな節税」が実現するのは、登記費用やローン手数料といった「初期費用」がドカンとかかる【初年度のみ】であるケースがほとんどです。
新築ワンルームの場合、以下の理由から2年目以降に大きな赤字(節税効果)を生み出すことは難しくなります。
- 減価償却費が少ない: 建物の価値に対する償却額が、中古に比べて長期間に薄められる。
- ローンの利息は経費になるが、徐々に減る: ローン残高が減れば支払利息(経費)も減る。さらに、土地部分のローン利息は損益通算の対象外(経費にならない)。
その結果、数年後には帳簿上が「黒字」に転換し、節税どころか「増税」になってしまう(デッドクロスを迎える)リスクが非常に高いのです。目先の初年度の税金還付だけを見て、「毎年これだけ節税になる」と錯覚して購入するのは絶対に避けるべきです。
「サブリース(借り上げ)」はトラブルの温床
掲示板の情報によると、同社は借り上げ(サブリース)も行っているようですが、口コミでは「空室保証を頼んでも対応してもらえない」「家賃を下げられた」といった不満が散見されます。
そもそも、都市部の好立地マンションであれば、相場家賃で募集すれば入居者はすぐに見つかるため、業者が手数料を抜くサブリース契約は不要です。
サブリースをつけてしまうと、将来物件を売却(出口)しようとした際、次の買い手から敬遠され「売却査定額が大きく下がる」という致命的なデメリットがあります。いざサブリースを外して高く売ろうとしても、業者側から借地借家法を盾に解約を拒否されるトラブルも頻発しています。空室対策は保証に頼るのではなく、物件の立地選びで解決すべき問題です。
一棟投資も実践する大家が解説する「区分投資」の真のメリット
電話営業や節税トークには冷静な視点が必要ですが、投資対象としての「区分マンション」自体が悪いわけではありません。一棟投資も実践する立場から、両者の構造的な違いを解説します。
- 一棟収益物件: 毎月のキャッシュフロー(手残り)は出やすい一方で、投資総額(価格)が高く、立地が郊外や駅から遠いなど「微妙」なケースが多くなります。
- 区分マンション: 毎月のキャッシュフローは赤字(手出し)になることが多い一方で、都心の駅近など「立地が極めて良い」場所に、比較的安い価格帯でアプローチできます。
一見すると、キャッシュフローが出る一棟こそが不動産投資の理想形と考えられがちですが、区分投資の真のメリットは「含み益が生まれること」と「高い賃貸需要による流動性の高さ」にあります。
区分マンションは毎月の手出しがあったとしても、入居者が支払う家賃によって着実にローンの残債が減少し、純資産が積み上がっていきます。好立地であれば賃貸需要が途切れることはなく、いざとなれば市場での流動性が高いためスムーズに売却できます。この「残債の減り」と「売却価格」のバランスの仕組みを理解できれば、中期間で数百万円単位の利益を出すことが可能です。
不動産投資は「融資の順番」という戦略がすべて
資産形成において区分マンションは非常に有効ですが、最も注意すべきは「投資の順番(融資戦略)」です。
個人の年収に対して、金融機関から引ける融資の総額(与信枠)には上限があります。将来的に「一棟アパートを買って事業を拡大したい」と考えている人が、先にワンルームマンションを無計画にフルローンで複数購入してしまうと、与信枠を使い切ってしまい、本命の一棟物件の融資が引けなくなるケースが多発しています。
逆もまた然りで、まだ資産形成期にもかかわらず、高年収サラリーマンが節税目的の割高な一棟投資を始めてしまい、ローンで毎月のキャッシュフローがパツパツになってしまう事例もあります。
販売業者は「自社の物件を売ること」が目的であるため、あなたの長期的な融資の順番など考慮してくれません。最悪の場合「区分を買っても一棟の融資に影響はありません」と事実と異なる説明を受けるリスクすらあります。
まとめ:業者や担当者、保証システムではなく、「物件」そのものを見極める
エスリード株式会社は関西圏でトップクラスの供給実績を持つ企業ですが、一方で、節税・サブリースを前面に推し出した営業スタイルが掲示板の投稿から見えてきます。
そして最終的に最も重要なのは、「物件そのもの」の価値です。
上場企業のブランドや、目先の節税効果、手厚く見えるサブリース保証といった付加的な要素は、数十年続く不動産投資においては無意味です。築年数、設備、立地、そして価格。これらを総合的に評価し、本当に利益を生む物件を購入すべきです。この「物件を見極めること」こそが、投資家にとって唯一最大の仕事と言えます。
おおやの視点
不動産投資は、業者に勧められたものを買うのではなく、「自分の目的に合わせて戦略を練る」ことがすべてです。区分マンションの手堅い資産形成力は本物ですが、人によっては融資の観点から「買う順番」を間違えると、最終的な目標に到達できなくなります。あなたの年収や目的に応じて、今は手堅く区分を買うべきか、それとも最初から一棟を狙うべきか。投資の「正しい順番」を知りたい方や、今提案されている物件に見落としがないか不安な方は、LINEで連絡をください。一切のポジショントークなしで、フラットに戦略と物件の相談に乗りますよ。



一棟アパートやRCマンションをメインに投資。
サラリーマン時代に不動産投資を開始し、家賃収入50万円/月を達成し独立。
独立後、不労収入を増やすべく不動産会社や金融機関を開拓し、不動産投資の拡大に成功。
一棟アパートやRCマンションをメインにしていますが、メリットあれば区分、別荘やタワマンも所有しています。
一棟アパートから始めるべきか、区分マンションか始めるべきか、不動産投資に興味がある方はどちらの相談にも乗れると思います。相談したい方はLINEで連絡くださいね。
不動産投資に大切なことは勉強ではなく、「順番と速度」です。
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