オープンハウスの「新築一棟アパート投資」参入と、今後の評判・実態の考察

引用:オープンハウスデベロップメント

不動産投資において、検討中の企業がどのようなビジネスモデルを展開し、どのようなリスクに対する提案を行っているのかを事前に検証することは非常に重要です。

都心部を中心とした戸建て住宅の販売で急成長を遂げてきた株式会社オープンハウスグループが、新たに「アパート事業(収益用不動産開発)」への参入を発表しました。これまで実需(居住用)メインだった同社が投資用の一棟アパート市場に参入することで、投資家にとって新たな選択肢が生まれることになります。

本記事では、年間家賃収入2000万円(手取り)を運用する実務家(おおや)の視点から、オープンハウスのアパート事業で想定される特徴を整理し、現在の不動産市況を踏まえた「新築木造一棟投資」の本質的なリスクと検討ポイントを客観的に解説します。

おおや@管理人

一棟アパートやRCマンションをメインに投資。

  • 年間家賃収入:約2000万円(手取り)
  • 金融資産:2億円(有価証券・現金含む)
  • 一棟マンション:4棟
  • 一棟アパート:4棟
  • 区分マンション:20室

サラリーマン時代に不動産投資を開始し、家賃収入50万円/月を達成し独立。
独立後、不労収入を増やすべく不動産会社や金融機関を開拓し、不動産投資の拡大に成功。
一棟アパートやRCマンションをメインにしていますが、メリットあれば区分、別荘やタワマンも所有しています。

一棟アパートから始めるべきか、区分マンションか始めるべきか、不動産投資に興味がある方はどちらの相談にも乗れると思います。相談したい方はLINEで連絡くださいね。

不動産投資に大切なことは勉強ではなく、「順番と速度」です。
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オープンハウスのアパート事業で想定される特徴と強み

オープンハウスのアパート事業は新規参入であるため、具体的な実績はこれから作られていく段階です。しかし、既存の戸建て事業のビジネスモデルから、以下のような強みが投資用アパートにも引き継がれると推測されます。

1. 都市部における圧倒的な「土地仕入れ力」

同社の最大の強みは、都心部を中心とした好立地の土地を独自のネットワークでスピーディーに仕入れる力です。アパート経営において「立地(賃貸需要)」は最も重要な要素であり、最寄り駅から近く、利便性の高いエリアの土地にアパートを企画できる点は、投資家にとって大きなメリットになる可能性があります。

2. 木造建築のスケールメリットを活かしたコスト競争力

年間数千棟という規模で木造戸建てを建築している同社は、資材の調達や施工において大きなスケールメリット(規模の経済)を持っています。このノウハウをアパート建築に応用することで、建築費が高騰している現在の市況下においても、一定のコスト競争力を持った物件が供給されることが期待されます。

3. 販売から管理までの体制構築(今後の注目点)

投資用アパート市場への本格参入に伴い、今後は物件の販売だけでなく、購入後のプロパティマネジメント(賃貸管理)体制がどのように構築されるかが注目されます。投資家としては、購入後の入居者募集や建物管理まで安心して任せられるスキームが用意されているかを確認する必要があります。

オープンハウスのアパート事業の口コミ・評判について

同社のアパート事業は新規参入であるため、投資用アパートを購入したオーナーからの明確な口コミやレビューは、現時点では存在しません。

おおやの視点
戸建て(実需)部門に関する口コミはインターネット上に多数存在しますが、投資用不動産(事業)の評価軸とは異なります。口コミや実績がない新規事業の物件を検討する際は、過去の評判やブランド力に過度に依存せず、提示された立地、建物スペック、そして事業計画(レントロールや修繕計画)の数字を、投資家自身の目で客観的かつシビアに評価することが求められます。

現在の市況における「新築一棟アパート投資」の本質的なリスク算定

オープンハウスの強みである好立地・低コストの物件であったとしても、現在の市況と「新築木造一棟投資」というビジネスモデル自体が内包するリスクを理解しておく必要があります。

1. 取得コスト高騰と「家賃引き上げ」を見極める選球眼

都心エリアでは土地価格と建築費の高騰が続いており、新築一棟アパートの取得コストは非常に高い水準にあります。一方で、家賃相場の上昇は物件価格の上昇スピードに完全には追いついていません。
いくら同社の仕入れ力が強くても、相場通りにフルローンに近い形で新築一棟を購入すると、初期の利回りが低くなり、毎月の手残りが少ない状態からのスタートとなります。だからこそ、今後は「物件のポテンシャル(立地や設備)を見抜き、適切な運用によって将来的に家賃を引き上げられる物件かどうか」を見極める選球眼が、一棟投資の成否を分ける極めて重要な要素となります。

2. 木造一棟特有の「流動性(出口)」リスク

木造アパートは法定耐用年数が22年と短いため、築年数が経過した後に売却(出口)を迎えようとした際、次の買い手が金融機関から長期のローンを引きにくくなる特性があります。ローンが引けない物件は市場での流動性が下がり、いざという時に「ローンの残債を完済できる金額で売却(現金化)できない」というリスクが存在します。購入の段階から、長期的な出口戦略を立てておく必要があります。

3. 「節税効果×サブリース」を強調する営業手法への注意

新築の木造一棟アパート投資において、業界の一般的な営業手法として「短い法定耐用年数を活かした減価償却(節税効果)」と「サブリース(一括借り上げ)による安定収入」をセットで提案するケースが多く見られます。同社がこの手法を主軸にするかは未知数ですが、木造一棟を検討する上で必ず構造を理解しておく必要があります。

一見すると手間なく節税と安定したキャッシュフローを得られる仕組みに見えますが、サブリース契約は業者側から賃料の減額請求や契約解除が可能なケースが多く、完全な安心材料にはなりません。
また節税効果についても、物件を売却する際には譲渡税が発生します。高年収の方であれば所得税率と譲渡税率の差分が実質的な節税効果となりますが、最終的な売却時にローンの残債を完済できる金額で売れるかどうかの保証はないため、手元の資金をすべて自由に使って良いわけではありません。節税や家賃保証といった付加価値に目を奪われず、物件本来の収益力を見極めることが重要です。

不動産投資は「目的」に合わせて物件種別を選ぶ

不動産投資を始めるにあたり、オープンハウスが手掛けるような新築一棟アパートを選択するか、都心の区分マンション等を選択するかは、投資目的と自己資金の状況によって分かれます。

新築一棟アパート(目的:資産保全と事業規模の拡大)

  • 【メリット】 新築の設備競争力により初期の入居付けがスムーズに進みます。土地の持ち分が大きく、複数戸を所有するため、区分と違って一部屋の退去で収入がゼロになるリスクを分散でき、賃貸経営は安定しやすい傾向があります。
  • 【リスク】 取得コストの上昇による利回りの低下や、出口(売却時)における流動性の低さを考慮した緻密な資金計算が必要です。また、将来の大規模修繕費用を自身で準備するため、資金管理に高い計画性が求められます。

都心の区分マンション(目的:手間の軽減と手堅い資産形成)

  • 【メリット】 都心部の安定した賃貸需要を背景に、長期間の空室リスクを抑えられます。建物の修繕は管理組合が主導して計画的に行うため、個人で突発的な大規模修繕費を負担する可能性は低くなります。市場での流動性(売りやすさ)にも優れています。
  • 【リスク】 購入価格が高いため毎月のキャッシュフローは大きく出にくく、時間をかけて残債を減らし、純資産を形成していく中長期的な視点が必要です。

オープンハウスでのアパート投資に向いている人・向いていない人

向いている人の条件

  • 物件価格に対して十分な自己資金(頭金)を投入し、借入比率を下げて低利回りでも安全に事業を回せる経済的体力がある方
  • 同社の強みである都心部の立地(土地の資産価値)を高く評価し、長期的な資産保全を目的としている方
  • 新規事業の物件であることを理解した上で、将来的な家賃引き上げのポテンシャル等を自身で客観的に分析できる方

見送るべき人の条件

  • 自己資金にゆとりがなく、フルローンで購入した上で、毎月のキャッシュフローに大きく余裕を持たせたい方
  • 売却時の残債リスクや譲渡税を逆算せず、目先の「節税」やサブリース等の保証だけを目的にしている方
  • 「大手が作ったから安心だろう」と思考を止め、賃貸経営の変動要素を事業者として引き受ける認識が薄い方

まとめ

実需の戸建て市場で圧倒的な実績を持つオープンハウスグループのアパート事業への参入は、都心の好立地に投資用アパートを保有したい投資家にとって、強力な新たな選択肢となり得ます。同社の土地仕入れ力と建築のスケールメリットが、投資用物件としてどのように還元されるかが期待されます。

一方で、昨今の建築費の高騰もあるため、新築アパートを手放しで良い投資、と言い切ることは難しいかもしれません。

いずれにせよ金額が大きい不動産投資では、毎月のキャッシュフローのボラティリティが大きく十分なキャッシュがないと破綻してしまうリスクがあります。もしそうしたハイリスクハイリターンの投資に抵抗があるならローリスクで始められる区分マンション投資なども検討の余地があると言えるでしょう。

おおやの視点
大手企業が手掛ける好立地の物件は魅力的ですが、一棟投資はまとまった自己資金があり、ある程度の運用のボラティリティ(空室や修繕)に耐えられる経済的な体力が必要です。
もし、あなたが現役世代のサラリーマンで、これから本業の傍らで手堅く資産形成を進めていきたいと考えているなら、修繕等の実務を管理組合が担ってくれる区分マンションの方が安全性が高い印象です。
私自身、一棟投資と区分投資の両方を経験してきましたので、一棟でも区分でもフラットに相談に乗れますよ。もし迷ったり気になることがあれば、気軽に私に聞いてくださいね。

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