不動産投資において、検討中の企業がどのようなビジネスモデルを展開し、購入後の運用や出口戦略に対してどのような提案を行っているのかを事前に検証することは非常に重要です。
清陽通商株式会社は、大阪府に拠点を置き、関西エリアの一棟アパート・マンションの売買仲介や運営管理に特化した不動産会社です。自己資金の基準を明確にし、YouTube等を通じた情報発信を積極的に行っている点を特徴としています。
本記事では、年間家賃収入2000万円(手取り)を運用する実務家(おおや)の視点から、清陽通商の基本情報や事業の特徴を整理し、現在の不動産市況を踏まえた関西エリアでの一棟投資の本質的なリスクと検討ポイントを客観的に解説します。
清陽通商株式会社の基本情報と特徴
清陽通商株式会社は、2000年に設立された大阪市の不動産会社です。一棟収益物件の売買仲介を中心に、投資の入り口から出口までを見据えた事業を展開しています。
1. 関西エリアの一棟収益物件に特化(自己資金1,000万円以上を対象)
同社は本社を置く大阪府を中心とした関西エリアの一棟収益物件に特化しています。これまでに400棟以上の収益物件を仲介した実績を掲げ、関西の賃貸需要や運営ノウハウに精通している点を強みとしています。
なお、金融機関の融資基準に合わせて「自己資金1,000万円以上の人」を対象としていると公式サイトに明記しており、フルローンに依存しない手堅い財務状況の投資家をターゲットにしていることがわかります。
2. 賃貸アパート・マンションの売却(出口戦略)サポート
物件の購入仲介だけでなく、売却にも対応しています。「入居率」「建物のメンテナンス状況」「収益性」を高めることで売却価格を最大化するという方針を示しており、保有中の運営管理から最終的な出口戦略までを一貫してサポートする姿勢を打ち出しています。
ただし、賃貸管理業務の具体的な範囲や費用、契約形態(管理委託かサブリースか等)については公式サイト上で詳細が公開されていないため、個別の確認が必要です。
3. YouTubeや書籍を通じた積極的な情報発信
代表によるYouTubeチャンネルでの情報発信や、書籍の出版、無料E-bookの配布など、不動産投資に関するコンテンツを数多く提供しています。これらは投資家にとって有益な情報源となる一方で、自社サービスへの誘導という広告的側面も含まれるため、内容を客観的に精査して活用することが求められます。
清陽通商株式会社の口コミ・評判
インターネット上において、清陽通商に関する第三者からの明確な口コミやレビューは確認できません。一方で、同社公式サイトには「お客さまの声」として以下の傾向が紹介されています。
- 「自社が売りたい物件ではなく、こちらの条件を踏まえて紹介してくれた」
- 「誠実で裏表のない対応で信頼でき、長期的な付き合いができる」
- 「同業者目線でも、オーナーの立場に立った提案が評価できる」
おおやの視点
企業サイトに掲載される声は、基本的に自社の強みをアピールするための好意的な内容に限定されるため、これをそのまま客観的な評価として鵜呑みにすることはできません。口コミが見当たらないこと自体は、BtoBに近い一棟物件の取引では珍しくありません。
同社は自己資金1,000万円以上を基準とするなど堅実な姿勢を見せていますが、提示された利回りや管理契約の内容については、投資家自身の目で厳しく判断する姿勢が求められます。
現在の市況における「関西エリア一棟投資」の本質的なリスク算定
清陽通商のように地域に根ざした企業を利用する場合でも、現在の市況と一棟投資というビジネスモデル自体が内包するリスクを理解しておく必要があります。
1. 取得コスト高騰と「家賃引き上げ」を見極める選球眼
関西エリアにおいても、現在、資材価格や人件費の高騰により物件の取得コストは高い水準にあります。一方で、家賃相場の上昇は物件価格の上昇に完全には追いついていません。この歪みにより、相場通りに購入すると初期の利回りが低くなり、毎月の手残りが少ない状態からのスタートとなります。
だからこそ、今後は「関西圏のエリア特性を分析し、適切な運用や修繕によって将来的に家賃を引き上げられる物件かどうか」を見極める選球眼が、一棟投資の成否を分ける極めて重要な要素となります。
2. 木造一棟特有の「流動性(出口)」リスク
同社はアパートやマンションを広く扱っていますが、もし木造一棟アパートを検討する場合は、法定耐用年数(22年)の短さに注意が必要です。築年数が経過した後に売却しようとした際、次の買い手が金融機関から長期ローンを引きにくくなる特性があります。ローンが引けない物件は市場での流動性が下がり、いざという時に「ローンの残債を完済できる金額で売却(現金化)できない」というリスクが存在します。
3. 「節税効果×サブリース」を強調するパッケージへの注意
木造一棟アパート投資において、業界の一般的な営業手法として「短い法定耐用年数を活かした減価償却(節税効果)」と「サブリース(一括借り上げ)による安定収入」をセットで提案するケースが多く見られます。
清陽通商がこの手法を主軸としているわけではありませんが、一棟投資を検討する上で必ず構造を理解しておく必要があります。
一見すると手間なく節税と安定したキャッシュフローを得られる仕組みに見えますが、サブリース契約は業者側から賃料の減額請求や契約解除が可能なケースが多く、完全な安心材料にはなりません。
また節税効果についても、物件を売却する際には譲渡税が発生します。高年収の方であれば所得税率と譲渡税率の差分が実質的な節税効果となりますが、最終的な売却時に残債を完済できる金額で売れるかどうかの保証はないため、手元の資金をすべて自由に使って良いわけではありません。節税や家賃保証といった付加価値に目を奪われず、物件本来の収益力を見極めることが重要です。
その一棟投資は大丈夫?見落としやすい4つのリスク
一棟物件への投資を検討するにあたり、投資家が見落としがちな特有のリスクが存在します。物件を評価する際は、以下の4つのポイントがクリアできているか必ずチェックしてください。
1. 利回りだけでなく「空室リスク」を直視する
業者が提示する利回りの多くは、満室を想定した「表面利回り」です。都心部と地方では利回りが倍ほど違うことがありますが、地方の高利回りは「空室率の高さ」を物件価格の引き下げで帳尻合わせしている結果に過ぎません。目先の利回りだけでなく、そのエリアの正確な賃貸需要を把握することが重要です。
2. 修繕積立金を無視したシミュレーションは信用しない
一棟物件は12〜15年に一度、多額の費用がかかる大規模修繕が必要になるため、毎月一定額を積み立てておくのが一般的です。不動産業者が示すキャッシュフローの中に修繕積立金が入っていない場合は、過度に物件の収支を良く見せようとしていると考えられます。小さく注釈で書いているような業者はお断りすべきです。
3. 中古物件は「過去の修繕履歴」が命
中古の一棟物件を検討する場合、過去に適切な修繕工事が行われてきたかの確認が必須です。アパートなどは個人オーナーが多く、実施されていないケースも多々あります。修繕前の物件を購入した場合、投資家自身が多額の修繕費を自己資金で一括負担することになるため注意が必要です。
4. エリアごとの「AD(広告料)」と隠れたコストを把握する
入居者募集を管理会社に依頼する際、家賃とは別に「AD(広告費)」が発生します。都心の一等地であれば家賃の1ヶ月分程度ですが、賃貸需要が弱いエリアでは5ヶ月分以上払わないと客付けしてもらえないこともあります。
また、2年ごとの更新手数料などの隠れたコストもシミュレーションに組み込まないと、実質利回りがマイナスになる恐れがあります。一棟アパートは分譲区分マンションに比べると設備仕様が低いため、そもそも入居付けで不利になるという前提の理解が必要です。
不動産投資は「目的」に合わせて物件種別を選ぶ
不動産投資を始めるにあたり、関西エリアで一棟物件を選択するか、都心の区分マンション等を選択するかは、投資目的と自己資金の状況によって分かれます。
一棟収益物件(目的:資産保全と事業規模の拡大)
- 【メリット】 土地の持ち分が大きく、修繕やバリューアップのタイミングをオーナー自身の裁量で決定できます。複数戸を所有するため、区分と違って一部屋の退去で収入がゼロになるリスクを分散でき、賃貸経営は安定しやすい傾向があります。
- 【リスク】 取得コストの上昇による利回りの低下や、出口(売却時)における流動性の低さを考慮した緻密な資金計算が必要です。大規模修繕費用を自身で準備するため、資金管理に高い計画性が求められます。また、表面利回りには空室率が加味されていませんので、現実的な稼働率によるシミュレーションが重要です。
都心の区分マンション(目的:手間の軽減と手堅い資産形成)
- 【メリット】 都心部の安定した賃貸需要を背景に、長期間の空室リスクを抑えられます。建物の修繕は管理組合が主導して計画的に行うため、個人で突発的な大規模修繕費を負担する可能性は低くなります。市場での流動性(売りやすさ)にも優れています。
- 【リスク】 購入価格が高いため毎月のキャッシュフローは大きく出にくく、時間をかけて残債を減らし、純資産を形成していく中長期的な視点が必要です。
清陽通商での一棟投資に向いている人・向いていない人
向いている人の条件
- 同社の基準である自己資金1,000万円以上を無理なく準備でき、借入比率を抑えて安全に事業を回せる経済的体力がある方
- 関西エリアの賃貸需要を自ら客観的に分析し、将来的な家賃引き上げを前提とした経営に取り組める方
- 企業の情報発信を参考にしつつも、提示された事業計画や管理契約の内容を自身の目で客観的に精査できる方
見送るべき人の条件
- まとまった自己資金がなく、フルローンに依存して毎月のキャッシュフローに大きく余裕を持たせたい方
- 売却時の残債リスクや譲渡税を逆算せず、目先の「節税」だけを目的にしている方
- 「管理会社がすべてやってくれる」と思考を止め、賃貸経営の変動要素を事業者として引き受ける認識が薄い方
まとめ
清陽通商株式会社は、関西エリアに特化して一棟アパート・マンションの売買仲介や運営管理を手掛ける不動産会社です。自己資金1,000万円以上を対象とするなど、投資家の財務健全性を重視した手堅いアプローチを行っている点が特徴です。
おおやの視点
企業が一定の自己資金を求める姿勢は、無理な融資による破綻を防ぐ意味で評価できます。一方で、一棟投資はまとまった自己資金を投じた上で、さらに空室や修繕といった運用のボラティリティに耐えられる経済的な体力と経営手腕が必要です。
もし、あなたが現役世代のサラリーマンで、これから資産形成を進めていきたいと考えているなら、区分マンションの方が手堅い印象です。私自身、一棟投資と区分投資の両方を経験してきましたので、一棟でも区分でもフラットな目線でアドバイスが可能です。すでに清陽通商で検討しているアパートプランや、候補となる物件があるなら、一棟投資経験者として客観的に評価することも可能です。あなたの年収や目的に応じて、今は手堅く区分を買うべきか、それとも最初から一棟を狙うべきか。投資の「正しい順番」を知りたい方や、今提案されている物件に見落としがないか不安な方は、LINEで連絡をください。一切のポジショントークなしで、客観的に戦略と物件の相談に乗りますよ。



一棟アパートやRCマンションをメインに投資。
サラリーマン時代に不動産投資を開始し、家賃収入50万円/月を達成し独立。
独立後、不労収入を増やすべく不動産会社や金融機関を開拓し、不動産投資の拡大に成功。
一棟アパートやRCマンションをメインにしていますが、メリットあれば区分、別荘やタワマンも所有しています。
一棟アパートから始めるべきか、区分マンションか始めるべきか、不動産投資に興味がある方はどちらの相談にも乗れると思います。相談したい方はLINEで連絡くださいね。
不動産投資に大切なことは勉強ではなく、「順番と速度」です。
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