不動産投資において、検討中の企業がどのようなエリアで物件を開発し、その価格設定の裏にどのようなリスクが潜んでいるのかを事前に検証することは非常に重要です。
株式会社トラストライフは、自社で土地付きのオリジナル新築アパートを企画・販売している不動産会社です。横浜を中心としたエリアで事業を展開しており、新築の一棟アパートとしては比較的検討しやすい価格帯であることが特徴です。
本記事では、年間家賃収入2000万円(手取り)を運用する実務家(おおや)の視点から、トラストライフの物件の特徴を整理し、表面利回りだけでは見えない「AD(広告料)」や「土地の資産価値」に関する本質的なリスクを客観的に解説します。
株式会社トラストライフの基本情報と特徴
トラストライフが提供する新築アパート投資には、主に以下のような特徴があります。
1. 自社開発の「土地付き新築アパート」を販売
同社は、自社で土地を仕入れ、そこにアパートを建築して販売する「土地付き一棟アパート」の開発・販売を手掛けています。企画から販売までを自社で行うパッケージ商品のため、投資家自身がゼロから土地を探して建築会社を手配する手間を省ける点がメリットです。
2. 新築一棟としては「手頃な価格設定」
横浜周辺のエリアなどを対象にしていますが、新築の一棟アパートとしては比較的抑えられた価格帯で提供されています。これにより、ある程度の年収がある方であれば、融資を利用して一棟オーナーになりやすいという側面があります。
表面的な価格と利回りに潜む3つの客観的リスク
一見すると「手頃な価格で新築アパートが買える」という魅力的な提案に見えますが、投資家として冷静に算定しなければならない構造的なリスクが存在します。
1. 立地への懸念と「AD(広告料)」によるキャッシュフロー圧迫
物件の価格が手頃であるということは、最寄り駅からの距離が遠かったり、賃貸需要がそれほど強くない立地である可能性が高いです。そうしたエリアでは、入居者を募集する際に仲介業者へ支払う「AD(広告料)」が高騰する傾向があります。 業者が提示する表面利回りが高く見えても、退去のたびに数ヶ月分のADや原状回復費が飛んでいくと、実質的なキャッシュフローは大きく圧迫されます。
2. 「価格が安い=土地の価値が低い」という残酷な現実
新築アパートの価格が手頃な最大の理由は、「土地の価値(仕入れ値)が安いから」に他なりません。建物の価値は築年数の経過とともに必ず目減りし、いずれゼロになりますが、土地の価値は残ります。 しかし、もともと土地値が低いエリアの物件は、ローンを完済した後に残る「純資産(土地の価値)」が極めて小さくなります。長期間ローンを払い続けても、手元に残る資産価値は想定より少ないという現実を理解しておく必要があります。
3. 資産形成というより「キャッシュフロー重視」の投資
横浜周辺のエリアであるため、完全な地方都市に比べればある程度のリセール(売却)需要は見込めるかもしれません。しかし、基本的には「資産価値の向上(キャピタルゲイン)」を狙う投資ではなく、毎月の「キャッシュフロー(インカムゲイン)」を目当てにした運用モデルです。 そのため、すでにまとまった資金があり、自己資金を多めに入れて安全に現金を増やしたい方には向いていますが、現役世代のサラリーマンがなけなしの与信枠を使い、フルローンで一気に資産拡大を狙うための物件としてはリスクが高いと考えられます。
その一棟投資は大丈夫?見落としやすい4つのリスク
一棟物件への投資を検討するにあたり、投資家が見落としがちな特有のリスクが存在します。物件を評価する際は、以下の4つのポイントがクリアできているか必ずチェックしてください。
1. 利回りだけでなく「空室リスク」を直視する
業者が提示する利回りの多くは、満室を想定した「表面利回り」です。都心部と地方では利回りが倍ほど違うことがありますが、郊外・地方の高利回りは「空室率の高さ」を物件価格の引き下げで帳尻合わせしている結果に過ぎません。目先の利回りだけでなく、そのエリアの正確な賃貸需要を把握することが重要です。
2. 修繕積立金を無視したシミュレーションは信用しない
一棟物件は12〜15年に一度、多額の費用がかかる大規模修繕が必要になるため、毎月一定額を積み立てておくのが一般的です。不動産業者が示すキャッシュフローの中に修繕積立金が入っていない場合は、過度に物件の収支を良く見せようとしていると考えられます。小さく注釈で書いているような業者はお断りすべきです。
3. 新築でも「将来の修繕計画」が命
新築であっても、10年後、20年後にどの箇所にどれくらいの修繕費がかかるのか、初期の段階で現実的な計画が練られているかの確認が必須です。修繕費用を見込んでいないと、将来的に自己資金から多額の持ち出しが発生し、経営が立ち行かなくなります。
4. エリアごとの「AD(広告料)」と隠れたコストを把握する
入居者募集を管理会社に依頼する際、家賃とは別に「AD(広告費)」が発生します。都心の一等地であれば家賃の1ヶ月分程度ですが、賃貸需要が弱いエリアでは5ヶ
月分以上払わないと客付けしてもらえないこともあります。また、2年ごとの更新手数料などの隠れたコストもシミュレーションに組み込まないと、実質利回りがマイナスになる恐れがあります。一棟アパートは分譲区分マンションに比べると設備仕様が低いため、そもそも入居付けで不利になるという前提の理解が必要です。
不動産投資は「目的」に合わせて物件種別を選ぶ
不動産投資を始めるにあたり、新築・中古の一棟物件を選択するか、都心の区分マンション等を選択するかは、投資目的と自己資金の状況によって分かれます。
一棟収益物件(目的:資産保全と事業規模の拡大)
- 【メリット】 土地の持ち分が大きく、リノベーション等のバリューアップや修繕のタイミングをオーナー自身の裁量で決定できます。複数戸を所有するため、区分と違って一部屋の退去で収入がゼロになるリスクを分散でき、賃貸経営は安定しやすい傾向があります。
- 【リスク】 取得コストの上昇による利回りの低下や、出口(売却時)における流動性の低さを考慮した緻密な資金計算が必要です。大規模修繕費用を自身で準備するため、資金管理に高い計画性が求められます。また、表面利回りには空室率が加味されていませんので、現実的な稼働率によるシミュレーションが重要です。
一棟投資はまとまった資金を元手に継続的なキャッシュフローを狙う投資です。持ち続ける前提の投資で、戦略的に売却益を狙うような投資ではありません。
都心の区分マンション(目的:手間の軽減と手堅い資産形成)
- 【メリット】 都心の安定した賃貸需要を背景に、長期間の空室リスクを抑えられます。建物の修繕は管理組合が主導して計画的に行うため、個人で突発的な大規模修繕費を負担する可能性は低くなります。市場での流動性(売りやすさ)にも優れています。
- 【リスク】 購入価格が高いため毎月のキャッシュフローは大きく出にくく、時間をかけて残債を減らし、純資産を形成していく中長期的な視点が必要です。
一棟投資とは反対に、資産形成期の現役世代が資産形成目的で持つ投資です。戦略的に売却時期を定め、含み益を積み上げていくスタイルです。
株式会社トラストライフでの一棟投資に向いている人・向いていない人
向いている人の条件
- 物件価格に対してまとまった自己資金(頭金)を投入し、安全な借入比率で毎月のキャッシュフローを増やしたい方
- 横浜周辺などのエリアの賃貸需要やAD相場を自ら客観的に分析し、現実的な空室リスクを想定できる方
- 資産価値(キャピタルゲイン)の増大よりも、長期的な家賃収入(インカムゲイン)による収益を重視する方
見送るべき人の条件
- まとまった自己資金がなく、現役世代の限られた与信枠を使ってフルローンで一棟アパートを購入しようとしている方
- 長期的な資産価値(土地の価値)を重視し、将来的な売却益(出口戦略)を確実に見据えた投資を行いたい方
- 郊外特有のAD高騰リスクや、入居付けに苦戦した際のキャッシュフロー悪化リスクを許容できない方
まとめ
株式会社トラストライフは、横浜周辺エリアなどで自社企画の土地付き新築アパートを比較的手頃な価格で提供している不動産会社です。初期費用を抑えて一棟オーナーになれる点は魅力的ですが、その価格設定の裏には「土地の安さ」や「高いADコストによる収益圧迫」というリスクが潜んでいます。
おおやの視点
手頃な価格の郊外・近郊新築アパートは、まとまった自己資金を投じてインカムゲイン(キャッシュフロー)を狙う方には一つの選択肢となります。しかし、土地の資産価値が残りにくいため、現役世代のサラリーマンがフルローンを活用して「純資産の拡大」を狙うための物件としてはミスマッチが生じやすいです。 もし、あなたが現役世代のサラリーマンで、これから手堅く資産形成を進めていきたいと考えているなら、資産価値が下がりにくく流動性の高い都心の区分マンションの方が手堅い印象です。
私自身、一棟投資と区分投資の両方を経験してきましたので、一棟でも区分でもフラットな目線でアドバイスが可能です。すでにトラストライフで検討しているアパートプランや、候補となる物件があるなら、一棟投資経験者として客観的に評価することも可能です。あなたの年収や目的に応じて、今は手堅く区分を買うべきか、それとも最初から一棟を狙うべきか。投資の「正しい順番」を知りたい方や、今提案されている物件に見落としがないか不安な方は、LINEで連絡をください。一切のポジショントークなしで、客観的に戦略と物件の相談に乗りますよ。



一棟アパートやRCマンションをメインに投資。
サラリーマン時代に不動産投資を開始し、家賃収入50万円/月を達成し独立。
独立後、不労収入を増やすべく不動産会社や金融機関を開拓し、不動産投資の拡大に成功。
一棟アパートやRCマンションをメインにしていますが、メリットあれば区分、別荘やタワマンも所有しています。
一棟アパートから始めるべきか、区分マンションか始めるべきか、不動産投資に興味がある方はどちらの相談にも乗れると思います。相談したい方はLINEで連絡くださいね。
不動産投資に大切なことは勉強ではなく、「順番と速度」です。
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